先日、日本の大学生の約2人に1人(55.0%)が何らかの「奨学金」という名の借金制度を利用しているという記事を目にしました。
近年の傾向として、返済不要の「給付型」の割合が増加しているようですが、2026年卒(現役生)を対象とした最新のアンケート調査では、以下の構成比となっています。
貸与型(返済あり): 約24.6%
給付型(返済なし): 約12.3%
併用(両方): (上記に含まれる)
しかし、冷静に考えてみてください。
22歳や23歳で社会に出た瞬間に、数百万円の借金を背負わされる。毎月の手取りから何万円も返済に消えていく。
これが、今の若者が結婚や出産に踏み切れない最大の原因のひとつだとは思いませんか?
スタートラインに立った瞬間に重い足かせをはめられて、「さあ、経済を回せ」「子供を産め」と言われても、到底無理な話です。
この「少子化の負のスパイラル」を断ち切る、非常にシンプルで確実な方法を提案したいと思います。
それは、「高校を、小学校や中学校と同じ義務教育の仕組みにする」。ただそれだけです。
1. 公立高校は「完全無償」の「学区制」インフラへ
現在、99%の子供が高校に進学しています。それにもかかわらず、いまだに「義務教育ではないから」と家庭に負担を強いている現状がそもそもの間違いです。
公立高校は、中学と同じく学区制にして、地元の高校に無償で通えるようにすべきです。授業料だけでなく、教科書代も施設費も国が持つ「完全無償化」です。
「財源がない」「学校の数が足りなくなる」と反論する役人や政治家がいますが、事実を見ていません。
今の高校生の数は、私たち団塊ジュニア世代の約半分しかいないのです。
全国には何万室という空き教室が存在しています。新しく校舎を建てる必要など1ミリもありません。今ある「余っているハコ(校舎)」を有効活用すればいいだけのことです。
2. 予算の「選択と集中」。私立は完全自己負担の贅沢品へ
完全無償化の財源はどこから持ってくるのか。答えは簡単です。国が私立高校に一律で出している補助金をゼロにすればいいのです。
「独自の特殊な教育を受けたい」「豪華な施設を利用したい」という家庭は、自費で私立を選択すればいい。それは一種の「贅沢品」であり、国が税金を投入してまで守るものではありません。
現在、私学助成や授業料無償化の名目で私立に流れている数千億円規模の予算を、すべて「公立の完全義務教育化」に一点集中させる。経営で言う「選択と集中」を行えば、国の収支の帳尻は十分に合います。
3. 学校の無駄を削ぎ落とす「クラス分け」と「部活の地域移行」
さらに公立高校の運営コストを下げるため、学校の役割をシンプルにします。
• 習熟度・目的別のクラス分け: 全員に同じ教育をするから無駄が生じます。「進学を目指すクラス」「実務・ITを学ぶクラス」「標準クラス」と明確に分け、教員の指導を効率化します。
• 部活動の廃止(地域移行): 先生の過重労働や施設の維持費など、学校が抱え込んでいる「部活コスト」を完全に切り離し、やりたい人だけが地域のクラブで費用を払う(受益者負担)形にします。
学校は「学習」と「実務教育」という本来のインフラ機能に特化するのです。
4. 放課後の「自由」と、残酷なまでの「自己責任」
部活がなくなった放課後は、完全に生徒の自由です。
勉強をするのも、YouTubeを見るのも、恋人とデートをするのも、アルバイトでお金を稼ぐのも本人の勝手。国も親も干渉しません。
ただし、「何もしなかった人間は、大学に行きにくくなる」という残酷なまでの自己責任はセットです。
自由を与えられる代わりに、自分の時間の使い方がそのまま自分の将来にはね返ってくる。この環境こそが、自立した大人を育てる最高の実践教育になります。
5. 親が「大学資金」を準備し、借金ゼロで社会へ
高校卒業までの家庭負担をゼロにする。
そうすれば、親はその3年間で、子供の「大学進学資金」を確実に貯めることができます。
高校で消えていくはずだったお金をしっかり貯金し、子供を「無借金」で社会へ送り出す。
これこそが親の責任であり、その環境を整えるのが本来の国の役割ではないでしょうか。
最後に:自分の損得ではなく、未来を変える覚悟を
「今さら制度を変えたら、今の世代が損をするじゃないか」
そんな反論もあるでしょう。しかし、それは「仕方のないこと」だと割り切るしかありません。
実を言うと、私の上の子も今年から大学生です。
私自身も、今の「奨学金ありき」の狂った制度の真っ只中にいます。仮に明日から制度が変わったとしても、私の家庭は何の恩恵も受けられないでしょう。
それでも、誰かがどこかで線を引かなければ、この国は一生変わりません。
「自分の子が間に合わないから」という理由で、次世代の若者たちにまで「借金スタート」の地獄を強いるのは、私たち大人の怠慢でしかありません。
自分の損得ではなく、次の世代の子供たちが借金に怯えず、希望を持って笑顔で社会に出られる国にする。
それが、今を生きる私たちの最後の仕事だと思っています。
皆さんは、どう思われますか?