賃貸管理の実務「駐車場・駐輪場・共用部分」

こんにちは、賃貸管理の実務解説ブログです。今日は「駐車場・駐輪場・共用部分」について、私の経験や知識をもとにお話ししたいと思います。

駐車場・駐輪場・共用部分は、賃貸物件の管理において重要なポイントです。入居者の満足度や安全性、近隣とのトラブル防止などに関わってきます。そこで、どのように管理すれば良いのか、具体的な方法をご紹介します。

(1)駐車場
 駐車場は、無断駐車や車上荒らしなどの問題が起こりやすい場所です。無断駐車を防ぐためには、駐車区画ごとに利用権者の名前や番号を表示することが効果的です。また、カラーコーンや埋め込み式ポールなどを使って、区画を明確にすることもおすすめです。これらの対策は、利用権者以外の人が駐車しにくくするだけでなく、利用権者自身も自分の区画を見つけやすくするメリットがあります。
 車上荒らしに対しては、人感センサーライトや防犯カメラを設置することが有効です。人感センサーライトは、暗い時間帯に不審者が近づくと点灯して警戒感を与えます。防犯カメラは、犯罪の抑止力になるだけでなく、万が一被害が発生した場合に証拠として役立ちます。ただし、防犯カメラを設置する際には、プライバシーの保護や個人情報の取り扱いに注意しなければなりません。

(2)駐輪場
 駐輪場は、自転車が乱雑に置かれたり、不要な自転車が放置されたりすることで、管理状態が悪化しやすい場所です。自転車が収容能力以上に置かれると、他の入居者が自分の自転車を出し入れしにくくなったり、通路を塞いだりすることで危険を招きます。そこで、まず行うべきことは、不要及び放置自転車の整理です。入居者に協力を求めて、一斉に整理することでスペースを確保できます。整理する際には、事前に掲示板やチラシで告知し、期限を設けることが大切です。
 それでも自転車の台数が収容能力を超える場合には、使用料を設定して登録制とすることも検討できます。使用料を徴収することで、入居者は必要な自転車だけを置くようになります。また、登録制にすることで、利用権者や自転車の台数を把握しやすくなります。

(3)共用部分
 共用部分とは、共同住宅の廊下や階段、玄関ホール、自転車置き場、ゴミ置き場などのことです。共用部分の使い方が守られていなかったり、建物の前面道路における利用方法等で、入居者が近隣の住民に対して迷惑をかけている場合、賃貸住宅管理業者は、該当する入居者に注意を促し、是正を求めなければなりません。
 共用部分の使用に関する基本は、「共用部分を私的に占拠させないこと」です。たとえば、廊下や階段に私物を放置することは、火災や地震などの災害時に避難を妨げることになるので、即座に撤去を求めなければなりません。共用部分に私物が放置されている場合には、賃貸住宅管理業者は、占有物の所有者を把握できれば、所有者本人に対して撤去を直接求めることができます。
 また、ゴミの出し方や駐輪場の使い方などについても、使用状況が不適切ならば、掲示板やチラシを使って各入居者に注意を促し、是正に努めなければなりません。ゴミの出し方では、出す日や時間、分別方法などを守ることが必要です。駐輪場の使い方では、自分の区画以外に自転車を置かないことや、他人の自転車を移動させないことが大切です。
 なお、賃貸住宅管理業者が、放置されている私物などを所有者に無断で処分することは違法行為なので、行ってはなりません。
 共用部分の管理に関する基本は、「清掃を着実に行うこと」です。これにより、建物や周辺の美装性を保ち、管理がしっかり行われている印象を、入居者や近隣や来訪者などに与えることができます。

以上が、「駐車場・駐輪場・共用部分」についての私の実務解説でした。このブログでは、他にも賃貸管理業務における実務についても掲載しています。日常業務において必要な知識をより分かりやすく、体系的にまとめて解説しています。ぜひご覧ください。